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バンタンプロデュース Artistic Sweets Collection'08 Glamorous Urban-Night

スイーツのイベントは、何もパティスリー、パティシエ、ホテルやデパートなどが中心になっているものばかりではない。スクールでも素晴らしいイベントを身近に体感できる機会があるのだ。

「美」と「食」の業界に特化した人材を世に輩出しているバンタンフューチャークリエイション。数多くの賞を受賞した、日本を代表するトップパティシエ、和泉光一シェフを始め、バンタンで教鞭をとっている現役パティシエのデモンストレーションを目の前で見ることができるという、豪華イベント「Artistic Sweets Collection ’08」にお邪魔させてもらった。

代官山ヒルサイドテラス ANNEX A棟には、憧れのパティシエの手さばきを一目見ようと、熱心な学生が集まった。

このイベントはバンタンの学生だけに限らず、一般人も入場料わずか1000円で見学できる。会場には、参加するパティシエ3名がこの日のために作り上げたテーマのあるスイーツが飾られている。もはやアートと呼べるプロが作ったスイーツの繊細さに、まだ経験の浅い学生たちは目を見張っている。

TOKYO代表「スリジェ」の和泉光一シェフ、NEW YORK代表「LUXEE」白川シェフ、そしてPARIS代表ディディエ・ストドゥレールシェフの3人が30分交替でデモンストレーションし、その場で仕上げたスイーツをいただくことができる。

それぞれの街の特色が出るスイーツが出来上がった。

Yoshie Shirakawa

ヴェリーヌ、ショコラブランのピエスヴェリーヌ、ショコラブランのピエス

ヴェリーヌ、ショコラブランのピエス

白川シェフは自身がシェフパティシエを務める「LUXEE」の得意分野であるグラスデザート“Cosmopolitan”。コスモポリタンといえば、映画「SEX AND THE CITY」の主人公キャリーがバーでよく注文しているお酒の名前であることに気づく人もいることだろう。

白川シェフのコメント
アーティスティックスイーツとは、人を楽しませる、唯一五感を表現出来る物だと考えます。私が今回スイーツで表現するのは、ファッション。サブテーマであるグラマラスアーバンナイトは、アダルト・ときめき・サプライズをベリーヌに閉じ込めました。モダンでエレガントがコンセプトです。

ニューヨークの街をさっそうと歩く洗練された女性のように、クランベリーがアクセントになっている色合いはキレイで女性らしさが感じられる仕上がり。シャンパンとライムジュースのジュレに、洋梨のあっさりした甘味がよくマッチし、都会の女性の強さが感じられるようだ。

Izumi Kouichi

和泉シェフの展示和泉シェフの展示

口紅、アイメイク、ネイルアートを表現。アメ細工で女性を抽象化し、ピンクとブラック、華やかさと、妖艶さ、女性の持つエロスを表現

和泉シェフは、“Aurora”という名前の、温度の変化を楽しめるガトーを、ひとつずつ丁寧に盛り付けて提供した。イチゴと香りづけに使用したバルサミコのソースは、作っているそばから漂う甘い香りには、おいしいことが約束されているようだった。実際いただくと、口に入れるたびに新鮮さがあり、舌触りも異なって最後まで飽きさせない。

和泉シェフのコメント
全体のテーマは『時代を生きる女性』。ピエスモンテでは、女性を抽象化し、ピンクとブラックで妖艶で華やかに。展示用プティガトーは、口紅、アイメイク、ネイルアートをイメージし、テーマは“ルージュ”。アート、スイーツ、女性…これらは私の永遠のテーマ。洗練されていて、妖艶で、都会の夜を美しく甘いエロスで表現します。

Didier Steudler

ディディエシェフの展示ディディエシェフの展示

アントルメ3種

ディディエ・ストドゥレールシェフが作ったのは“ECUME DE NUIT”。トンカ豆のムースとカシスのコンフィ~ショコラブランのキャンディ仕立て。上にすみれの砂糖がけをあしらったのが見た目のアクセントとなって、丸みを帯びた姿は、可愛らしくも上品に仕上がった。

ディディエシェフのコメント
私のアーティスティックなスイーツとは、言葉から感化されて、まずイメージを色にします。それを形にしていく、味はその後から付いてくるというのがやり方です。昨年に続き2回目の参加、今回も他のシェフがどんなものを出すのかなども楽しみです。

展示含め、どのパティシエからもアートというテーマで女性をイメージしていることがうかがい知れる。だが、彼らが表現した女性のイメージはどれも同じではなく、それを仮に人に見立てて表現するとしたら同じ女性でも全く雰囲気の違った女性が現れてくるに違いない。

会場の2階では、学生による展示もあった。若いからこその斬新なアイディア、彼らの才能と努力が垣間見える仕上がりだった。
今「スイーツ」といえば、目で見て楽しみ、舌で味わうもの。著名な講師陣に習ったレコールバンタンの生徒が卒業して、どんな技で私たちを楽しませてくれるか今から楽しみである。
生徒の展示生徒の展示

参加パティシエ 白川 仁恵 Yoshie Shirakawaインタビュー

1971年生まれ。製菓店・レストランなどに勤務後、株式会社バンタン・フューチャークリエイションのスクール部門にて講師を務める。その後フードデザイン研究所主任研究員としてさまざまな企業とコラボレーションし、多数のアイテムを開発。

白川 仁恵

新しいものを創造していくポジションにつきたかった

リュクシー

お菓子といえば、もっとも主流な渡航先はフランス。でも白川さんはあえてニューヨークという場所を選び、新しいスタートを切ることを決めた。

「フランスには何度も行っています。でもニューヨークという場所は“人種のサラダボール”と表されるほど色んな人がいて刺激があって、面白そうだと思いました。」

これまで個人店、デセール店、トロワグロというレストランで実績を積んだ。その後バンタンにて教員を務めたが、NYに新しい店舗をオープンするという話があがって、新しいものを創造していくポジションにつきたいと考えた彼女はこれを機に渡米を決意。新店舗の経営に奮闘している。

味覚レベルがあがってきているニューヨーク

リュクシー

アメリカというと、映画などで見る印象だと全体的にカラフルで不自然な色を使用したお菓子や、味より見た目重視で、砂糖がどろりとかかった不健康そうなスイーツのイメージが強い。最近のニューヨークスイーツ事情を教えてもらった。

「最近ではオーガニック専門のスーパーも増えてきています。ベジタリアンも定着していますし、ヘルシー嗜好に傾きつつあります。味覚レベルもあがりつつあるようです。LUXEEはアボカド、かぼちゃ、セロリなどをスパイスとして使用しながらもそのインパクトや個性的な味を出しすぎずおいしく召し上がっていただけるようにアレンジしたものを出しています。珍しい感はあるようですが最近の傾向とまったく反れているわけではありません。
ただ、野菜ばかりを押し出しているわけではなくて、野菜も上手に取り入れつつ、というスタンスなので、「野菜スイーツ」のお店というわけではないです。ヴェリーヌなどのグラススイーツや、皿盛りのデセール商品を主軸商品としているのですが、まだまだご近所で浸透するには時間がかかりそうです。でも今度もソダー・バーグ監督(オーシャンズ12などの監督)映画にちらっとお店とお店の商品『キャラメルアップル』を登場させてもらえたりするので、嬉しいですね。」

――――最後に読者に一言お願いします。

「デセールはその場でしか食べられないものなので、N.Y.に来られることがあったら是非お店に遊びに来てください。お待ちしております。」

バンタンフューチャークリエイション運営のパティスリーがニューヨークに

LUXEE (リュクシー)LUXEE (リュクシー)
LUXEE (リュクシー)
バンタンフューチャークリエイションはパティスリーも運営している。こうして実際に現場を知っているからこそ、最先端の教育が提供できる。
2008年8月にオープンしたLUXEEはフランス語のLUXE=華やかな、ぜいたくなという単語と、英語のSWEETを合わせた造語。このお店で華やかなデザートを食べ、心の贅沢を感じてもらい、リフレッシュしてもらいたいという意味が込められている。
世界中から食が集まり、人々も食をエンターテイメントととらえ、食べることを心から楽しんでいる街、ニューヨーク。マンハッタンの中で今最も注目されているエリア、ロウワー・イーストサイド。野菜やハーブを使用したナチュラルでヘルシーなスイーツ、自然素材をふんだんに使ったデザイン性の高いスイーツを提供。主力商品は皿盛デザート。
LUXEE (リュクシー)
Address:  6 Clinton Street New York NY10002
Tel:     212-375-1796
Opening:  Tue-Fri 3:00pm-10pm Sat&Sun 1:00pm-11pm
Close:    Monday
Web:     http://luxeenyc.com

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