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Room No.024  スリジェ  オーナーパティシエ 嶋根 豊さん


履歴書

1962年 千葉県松戸市出身
1983年 東京製菓学校卒業
1983年 『マルメゾン』下北沢店(現在は成城)入社
1986年 『たちばな』入社
1987年 『パーラー・ローレル』入社
1993年 『サロン・ド・テ・スリジェ』入社
1999年10月 『スリジェ』開店
この間、ソペクサ第3回大会3位、カルフォルニアレーズンコンクール第3、4大会グランプリ、ルクサルドグランプレミオ第2回大会2位、第2回バターと生クリームを使ったプロによる洋菓子コンクールグランプリなど受賞暦多数。

 

 


インタビュー

アイコンの説明:   嶋根 豊シェフ   スイーツ大好き委員会

はじめまして。よろしくお願いいたします。前回ご登場いただいた山浦シェフからたくさんのコンクールで賞をお取りになったとお聞きしたのですが、どのくらい出品されたのですか?
嶋根シェフ そうですね、14年の間に22回チャレンジして19回入賞し、うち3回1位になりました。
す・すごい!!強さの秘密は何ですか?
嶋根シェフ 確かに結果を振り返ると勝率はいいですよね(笑)。秘密は特にありませんよ。やはり頑張った結果だと思います。中には非凡な才能を持つ人もいますが私はそうではありませんから、人一倍頑張った努力へのご褒美だと思っています。
なるほど。シェフがコンクールを目指すようになったきっかけは何ですか?
嶋根シェフ 私は製菓学校を卒業後、現在は成城でお店を構えておられる『マルメゾン』に入店し、大山シェフのもとでフランス菓子の基本を教えていただきました。これは私にとって本当に幸運でしたね。それまで大衆的なお店しか知らなかった私にとって、大山シェフの作るケーキは衝撃でした。こんな素晴らしいケーキがあるのだと・・・。そうやって修行していくうちに、それまで憧れだった造形菓子を作る技術を身に付けたいと思うようになり、それを評価してもらえる場としてコンクールを目指すようになったのです。
なるほど。シェフのように多くのコンクールに参加するには時間のやりくりが大変なのでは?
嶋根シェフ 確かに。でも自分の中できちんと区別はしていましたよ。仕事であるお店が1番。コンクールは2の次だと。自分に与えられた事をきちんとした上で取った賞でなくては意味がないと私は考えていますから。あくまでもコンクールは自分を向上させるための目標ですから、お店が終わってからの午後7時頃から深夜0時くらいまで、寝る間を惜しんで頑張りましたね。あと、お店のバックアップがなければ出す事もできませんからね。それぞれの修行先には本当に感謝しています。
体力がなければ続きませんね!ちなみにコンクールに出品される作品は作るのにどれ位時間をかけているのですか?
嶋根シェフ そうですね。人によってさまざまだと思いますが、私の場合は、試作に2、3週間かけ、本番用は1ヶ月位かけて作る事が多かったですね。
やはりそれ位かかるのですね。大変!!シェフはたくさん賞を受賞されていますが、特に思い出深いコンクールを教えていただけますか?
嶋根シェフ そうですね。やはり初めて1位に当たる連合会長賞を取った1989年の東日本洋菓子作品展ですね。コンクールに出す以上、よりよい作品を作って1位になりたいと思い続けていましたから、うれしかったですね。
一段の円形ケーキの表面を砂糖細工やゼラチンなどで装飾する小型工芸菓子部門に応募した作品で、大会が6月だった事もあり課題テーマが「時の記念日」でした。技術も年々向上してきているので、今見ればまだまだと思う所もありますが、その当時の私が出せる技術を最大限生かして作った"時計"をデザインしたケーキは、力作と呼べる物だったと思います。約5週間かけて作ったかな?本当にいい思い出です。
苦労が報われた瞬間ですね。逆にコンクールで体験したアクシデントなどはありますか??
嶋根シェフ ありますね!「ソペクサ」の決勝戦で遅刻しましたよ。
えっ!もしかして寝坊とか??
嶋根シェフ いえいえ、まさか(笑)。早朝から仕事をして通常でしたら間に合うギリギリの時間に店を出たのですが、渋滞に巻き込まれて。まさしくアクシデントです。コンクールは、たいがい会場となる製菓学校が休校である休日に行われます。お分かりかと思いますが、やはりお菓子屋さんは平日より休日のほうが忙しいわけです。先ほども言いましたが、お店の仕事をキチンとこなした上でのコンクールですから、ケーキの店出しまできちんとして会場に向かった結果の遅刻ですし、致し方ないです。
寝坊のはずがないですよね、失礼いたしました。もしかして失格だったのですか?
嶋根シェフ いえ、何とか間に合いました。本当だと最終審査で作業する調理台の抽選などがあるのですが、それには当然間に合わず、着いたら即、指示された調理台で作り始めるといった感じでした。審査員の方には呆れた顔をされましたけどね(笑)。
私がそんな状況に置かれたら、頭の中が真っ白になりそう。
嶋根シェフ 結果は3位だったのですが、遅れて緊張した分無我夢中で取り組めたように思います。
その状況下で3位、すごい!! コンクールのお菓子はどれもお店で買うケーキとは違って細工がこまかいですよね。そういった技術はどうやって習得されたのですか?
嶋根シェフ 確かにコンクールで必要となる細かいテクニックは、普段のお菓子作りではあまり使いませんね。私の場合は、そういった技術を学びたかったので、コンクールによく出品され、優勝されていた『パーラー・ローレル』入り、修行することを選択しました。
なるほど。シェフのように目的がはっきりなさっていることは大切ですね。
嶋根シェフ そうかもしれません。私は製菓学校に入るときから、将来お店を持つ事を目標にしていましたから、修行中迷う事はなかったですね。お店を持つためにできるだけ多くのことを習得したい、それだけを考えていました。細工などのデコレーション技術もその1つ。『パーラー・ローレル』では、コンクール向きの技術の他に、バタークリーム絞りのテクニックなどを色々と教えてもらいました。
では、シェフの小さい頃からの夢はパティシエだったのですか?
嶋根シェフ いえ、そんな事はありませんよ。高校卒業を控え、これから歩む道の選択肢として料理人があったわけです。料理人の中からあえてパティシエを選んだのは、その当時、ケーキはまだ特別なものでしたし、製菓学校自体も少なく、なり手が少ないように思ったのです。この道なら私も努力すれば1人前になってお店を持てると考えたのですね。あと、魚や肉が苦手だった事もあって・・・。
なるほど。今はシェフの頃と違い、パティシエを目指している若者がたくさんいるわけですが、その人達へアドバイスがあればお願いします。
嶋根シェフ そうですね。見た目が華やかな世界ほど下積みは大変だという事を覚悟しておいてほしいと思います。自分の掲げた目標を達成するには何かを犠牲にしたり、我慢しなくてはならないことが多々あると思います。でも、それを乗り越え努力しつつければ目標を達成する事ができるので、頑張ってほしいですね。うちで働いているスタッフもどんどん私の店を踏み台にし、さらにいい店に移ってほしいと願っています。
シェフはお心が広い!!
嶋根シェフ いえいえ、私もこれまでそうしてもらってきたのですから当然の事ですよ。
心温まるお話です。気になっていたのですが、店名はシェフの最後の修行先である調布の『サロン・ド・テ・スリジェ』からきているのですか?
嶋根シェフ そうです。『サロン・ド・テ・スリジェ』には3年の予定で入社したのですが、結局、学ぶ事も多く7年間お世話になりました。ここを出たらお店を開こうと心に決めていたので、現在、日本洋菓子協会の会長を務められている原光雄オーナーシェフに辞める1年前に独立を申し出た際、長い間頑張ってくれたからもしお店を持つなら『スリジェ』の名前を使ったらいいとの申し出を受けたのです。
わぁ、すごい。シェフの実力やお人柄を認めてらいるからこそのお申し出ですものね。
嶋根シェフ そうですね。とてもありがたく、本当にうれしかったです。オープンにあたっても本当に色々と援助していただきましたし、心から感謝しています。
しかし、それと同時に『スリジェ』の名を汚してはならない責任の重さを感じました。現在でもそのことは日々思い続けていますし、これが私にとっていい刺激にもなっています。
素敵な関係でいらっしゃるのですね。
嶋根シェフ そうですね。同じ店名を付けさせてもらったことが、私の頑張り続ける原動力になっています。お店を持つという目標をかなえる事ができた今、さらに向上心を持ち続ける大きな刺激になっています。
お店には約50種類のケーキの他、ゼリー類も18種類とどれをとっても種類が豊富ですが、これもシェフの向上心の現れなのですね。
嶋根シェフ そうかも知れません。最初からこんなに種類があったわけではありませんが、たくさんの種類から選べたほうがお客様も楽しいと思うのです。ですから毎年、歳時には必ず新製品を出し、オープンからコツコツと増やした結果、今の数にほぼ落ち着きました。
確かにケーキを選ぶ時間は幸せな時間ですね。今、考案中の新作などはありますか?
嶋根シェフ 今年は夏に向けてパイナップルのケーキを作りたいと思っています。昨年はライチ、マンゴー、ピスタチオをテーマにしました。あと、玄米なども気になっています。お客様の要望と自分の作りたい物が半々ぐらいでショーケースに並んでいますが、どちらのケーキを作るにしても新作を考えるにあたり、新しい味に出会える事は楽しいですね。
ありがとうございました。では、次回ご登場いただくシェフをご紹介いただけますか?
嶋根シェフ では、『サロン・ド・テ・スリジェ』のシェフパティエを務めている和泉光一シェフをご紹介します。先月、ラスベガスで行われた「ワールド・ペストリーチーム チャンピオンシップ」日本代表として出場した若手のホープです。
では、その時のお話が聞けますね、とても楽しみです。ありがとうございました。
嶋根シェフから和泉シェフへのメッセージ
素晴らしいご活躍、喜んでいます。
今後も頑張ってください。
スリジェ
おすすめスイーツ

2006/6現在
正面から時計回りに、
店名を付けたチョコレートとチェリー菓子“スリジェ(367円)
今年のホワイトデーに出したホワイトチョコのケーキ“クール・ブラン(420円)
フランボワーズ、チョコレートにマンゴーとパッションのムースを合わせた“ソレイユ(367円)
フランボワーズのムースとヨーグルトのクリームを合わせた“ルージュ(367円)
ピスタチオとチョコレートの味わいが後を引く“ポールグリモー(399円)
常時40種類以上のケーキが並ぶショーケース。かなり迷うこと必須です。
贈答用に便利なミニパウンドケーキ類。
焼き菓子も毎年種類が増えているとのこと。
歳時に合わせたラッピングが施されたギフト商品の数々は、ちょっとしたお礼にも便利。
クッキー類も豊富。お値段も手頃なのがうれしい。
かわいい動物クッキーは、お子さんに大人気です。
スタッフの皆さんが勉強も兼ねて作っているマジパン細工の数々。
さりげなく飾られたコンクールのメダルや賞状。
友人からプレゼントされた手作りのおしゃれな看板がお客様を出迎えてくれます。
暑い季節に登場するゼリーは18種類をラインナップ。
店内には、お得なケーキセットを目当てに来る地元のお客さんに人気の喫茶コーナーも。

ショップ情報

スリジェ

  • TEL:047-330-5544
  • FAX:047-330-5540
  • 住所:千葉県松戸市小金原8-33-3
  • 営業時間:10:00~19:30
  • 定休日:月曜日(祝祭日の場合は火曜日)
  • URL:http://www.cerisier-m.jp
  • JR常磐線北小金駅から「小金原団地行」バスに乗って約10分、「栗ヶ沢テニスコート前」下車すぐです。

アメリカン・ナッツカフェ

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