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Room No.022  ル クール ピュー  オーナーパティシエ 鈴木 芳男さん


履歴書

1955年 福島県浅川町ご出身
1975年 レジャンス入社
1980年 銀座マキシム・ド・パリ入店
19XX年 渡仏。パリ、ニース、アルビ、リヨンなどフランス各地で修行
19XX年 『ロオジエ』シェフパティシエ就任
19XX年 『ウエスティンホテル』シェフパティシエ就任
19XX年 『ホテル日航東京』のグランシェフに就任
2002年2月 『ル・クール・ピュー』開店
2004年5月 『ノザンセートルドゥドゥマン』(カジュアルフレンチのお店)開店
2005年3月 『パンセジィ』(ファーストフレンチのお店)開店
2006年4月 『ディクヴェルト』開店
この間、シャルル プルーストコンクール金メダルをはじめ、料理コンクール、デザートコンクールでの受賞暦多数。5月下旬に著書スーパーパティシエブックシリーズ『野菜が主役のフランス菓子』(旭屋出版)発刊予定。

 

 


インタビュー

アイコンの説明:   鈴木 芳男シェフ   スイーツ大好き委員会

よろしくお願いします。早速ですが、シェフは何がきっかけで料理の道に入られたのですか?
鈴木シェフ 昔から食べるのが大好きで、地元の高級レストランでアルバイトしていたのです。この時はウエイターをしていたわけですが、料理を見ているとその工程も気にもなる。それで高校卒業後上京して『レジャンス』に入りました。
初めからフレンチを学ぼうときめておられたのですか?また、上京を決意されたきっかけなどはありますか?
鈴木シェフ 別にフレンチと決めていたわけではないです。地元のバイト先がレストランだったので、自然とレストランを選んでいました。東京は店の量も多いですし、選択範囲も増えますからね。
確かに。シェフは全ての厨房を取り仕切るグランシェフをお勤めになられたわけですが、多くの方が料理、菓子、パンそれぞれ専門分野に分かれる中で、どうやってすべての分野をまんべんなく習得されたのですか?
鈴木シェフ 修行中は、どの分野と特別に意識したことはなかったです。それぞれのお店で学べることを最大限吸収したことが今につながっているのだと思いますよ。
私は仕事だけでなく、趣味も料理なので、どれか1つより食事としてトータルに楽しめる広がりを自然と求めたのかな。全てを学ぶことの方が私にとってはむしろ自然なことでしたね。
なるほど。幅広い知識があるからこそ、他では見たことのない野菜を使った『料理なお菓子』などの発想が生まれるのですね。
鈴木シェフ 『料理なお菓子』の構想は自分の店を持つ前から温めていましたが、やはり実現させるのは自分の店をはじめてからになりましたね。時代が要求していると前から思っていたのです。
時代が要求?
鈴木シェフ そう、考えてみてください。20年前と今ではライフスタイルが大きく変わってきています。多くの場所でエスカレータやエレベーターが設置され、電化製品が発達し、運動量が減ってきている。
それに対し、ケーキなどを口にする回数は大幅に増加しています。その結果ケーキは昔に比べとても軽い物なりました。しかし一方では、その軽く作られたケーキでも太ると敬遠される方もいる。食べたいのに食べないでは悲しい。それならば野菜を使用し、健康にも配慮した料理として食べてもらえるケーキであれば、日頃よくケーキを食べる方にも、敬遠されがちな方にも喜んで受け入れてもらえると感じていたのです。
確かに。ケーキは頂きたいけれど太るのは困る。でも野菜を使い、見た目が美しくおいしいケーキのような料理なら安心して食べられ、精神的にも大満足です。
鈴木シェフ そうでしょ。私は『普段着の贅沢』という表現をするのですが、お客様の生活に、いろいろな意味で無理なく取り入れていただける、最高のクオリティの商品を提供することを常に考えています。高級な物を使えば、当然今よりいい物が作れる。しかし、それで値段が高くなってしまっては日常的に楽しんでいただくことは無理。それではたくさんのお客様に喜んでいただくことは出来ないですからね・・・。
荻窪にお住まいの方が羨ましいです。こんなにもお客様本位のシェフのお店があって・・・。いつも店内が人でいっぱいなのも納得です。
鈴木シェフ 多くの皆さんに親しんで頂けるのは本当にうれしい。そのためには、何よりもお客様に喜んでいただける商品、場所を提供する。そして、「お客様に喜んでもらえる」この部分が決して自己満足であってはならないと私は考えています。自分がなぜ料理を作るのか、それはお客様に喜んでもらいたいから。この基本を大切にしています。
シェフのお客様を何よりも大切にするその徹底したお考えには何かきっかけが?
鈴木シェフ そうですね。料理を作る以前の「人をもてなす」「人を喜ばせる」という大切な精神を、私は25~30歳まで勤めた『銀座マキシム』でドアマンをしていた時に学びました。上司であり、赤坂の一流クラブでもドアマンをされていた秋山さんに教えていただいたもてなしの精神は私の根底に常に息づいています。
なるほど。「おもてなしの心」がシェフのお店には息づいていて、それが居心地の良さにつながっているのですね。
鈴木シェフ 最近は技術面ばかりが先行していて、精神的な部分のかけているお店が多いように思います。ドアマンをしている当時は作ることにより長く従事したいという気持ちもありましたが、今から思うとあの時代は宝物です。スタッフにも日々の仕事の中でこのことを伝えられればと願っています。
シェフがお客様の立場になって考えられる中で具体的にされていることは?
鈴木シェフ オリジナリティですね。大手さんとは違うもの、ここでしか食べられない物を作る。それから選んでいただけるさまざまな商品を作る。あとは、必要のない物は一切使わないことですね。
必要のない物?
鈴木シェフ ケーキを例にすると分かりやすいかもしれませんが、よくケーキに香草がのっているでしょ?食べたときにその香草の味が必要なのであればいいですが、のせられているたいていの理由は、緑が欲しいから。きれいに見せるためだけにのせる物は必要はないと私は考えています。
なるほど、確かにこの香草は食べるべき物??と悩むようなケーキがありますね。しかし、美しく、オリジナリティのあるおいしいケーキを作るのは大変なことですよね。
鈴木シェフ 確かにそうかもしれませんね。それを可能にするのに1番大切なのは、経験と知識だと思います。私はいつも“目標の味”があって商品を作りますが、人間は自分の経験という引き出しの中からしか物を作り出すことはできません。ですから、その引き出しが多ければ多いほど「目標とする味」を再現できる力も大きくなるわけです。
なるほど。シェフはどのようにして経験と知識を蓄積されたのですか?
鈴木シェフ 色々な料理を食べることです。今でも年に3回ほどフランス、シンガポール、上海などに行って自分の引き出しを増やすようにしています。スタッフも出来る限り連れて行き、勉強してもらえればと思っています。いい物を知ることは日々の料理を作る中でも生かされてきますから。
日本でもさまざまな国の料理が食べられますがそれでは駄目なのですか?
鈴木シェフ 日本ではシェフをその国から連れてきて作るだけで、その料理の裏に隠れる生活環境や精神的なバックグラウンドがないのです。それに比べるとシンガポールは他国の人が親の代から根付いて生活し、料理を作っている。バックグラウンドがあるのです。
それから、日本で今でも食べられるのであれば、ジャック・ボリー氏とパトリス・ジュリアン氏の料理が食べたいですね。
なるほど、料理は精神的な部分も大切だと言うことですね。
鈴木シェフ そうです。ですから海外で食事をするときは、私は日本人とは食べません。現地のフランスやシンガポールで生まれ育った友人と一緒に食べます。そうすることで、その国の現在の流れなども聞けますから。
フランス料理、フランス菓子、パンを作られているシェフは、フランスというバックグラウンドを大切にされているわけですね。
鈴木シェフ そうです。日本ではフランス料理も軽い物が増えているように思います。いい素材を使うのはもちろんですが、フレンチの醍醐味は手をかけて生み出される深みのある味わい。そのための作業は惜しみません。商品はあくまでもフランス料理の良さを大切に、接客は日本のお客様に心地よいよう、もてなしの心を大切にしています。
なるほど。色々なことを見て、経験されたからこそ気づき、実現できるお店作りですね。そのお店を作る場所として荻窪を選ばれたのはどうしてですか?
鈴木シェフ いや、特別な理由はないです。東京に来てからずっと荻窪に住んでいたわけではないですが、長年住み慣れた街ですし、知人も多いので、やるならここでと思って・・・。
最後に今後の展望などがありましたらお教えいただけますか?
鈴木シェフ 展望ではないですが、日々、今ある商品の味をよりよくするために手をかけたいですね。
ありがとうございました。では、次回ご登場いただくシェフをご紹介いただけますか?
鈴木シェフ では、『ミクサージュ』の山浦孝一シェフをご紹介します。ホテル日航東京にパティスリー部門のシェフとして紹介した方なのです。
お目にかかるのが楽しみです。お忙しいところありがとうございました。
鈴木シェフから山浦シェフへのメッセージ
山浦さんの個性を生かしたお菓子作りに励んでください。
ル クール ピュー
おすすめスイーツ

2006/4現在
正面から時計回りに、
ほうれん草、バナナ、ナツメグで構成した“エピナール(399円)
かぼちゃ、白胡麻、緑黄野菜の“ポテロン(399円)
根セロリ、セロリ、チコリを使ったすっきりとさわやかな“セロリラブ(399円)
赤ピーマン、アーモンド、オリーブを使用した“ポワヴロン(399円)
この他にも季節ごとに違った『料理なお菓子』があります。
『料理なお菓子』の他、焼き菓子でも野菜をたっぷり使用したものがある。
定番から新作までさまざまざケーキが並ぶ。
プレゼントにも最適なパウンドケーキ類。
焼き菓子類も豊富にそろう。
外の窓からも見えるパンはどれもおいしそうで選ぶのに困ってしまう。
サンドイッチ類は朝購入する人が多い。具だくさんでとってもお得。
食事向きのパンもたくさん用意されている。
カヌレや小ぶりのションソン・オ・ポムは小腹がすいたときに・・・。
ボリュームたっぷりのキッシュは昼食にもってこい。
店内でくつろぐお客様が多く、席はいつもいっぱい。
行列ができる大人気のランチ。

ショップ情報

ル クール ピュー

  • TEL:03-5335-5351
  • 住所:東京都杉並区荻窪5-16-20
  • 営業時間:月~金 7:30~21:00 土日・祝日 8:00~20:00
  • 定休日:無休
  • URL:http://www.lecoeurpur.co.jp/

アメリカン・ナッツカフェ

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